HSBC口座凍結の解除事例を共有したいと思います。私に連絡があったのは1ヶ月半前の事、問い合わせ時の状況は以下の様なものです。
・4年前に口座開設したものの、それ以来1度も使っていない
・当時は恋人同士であった2人が今では夫婦に、奥様は苗字が変わっている
・ATMカードの暗証番号は覚えているが、日本で一度も使ったことが無い
・セキュリティデバイスが昔自宅に届き、持っているが、一度も使ったことが無い
・もちろんインターネットバンキングも未登録
・口座凍結対策として、定期預金を組んだような気がするが金額を覚えていない
複雑な状況のように見えますが、凄くよくあるパターンです。恐らく口座凍結されている事は間違えないですが、どのように解決したのか、順を追って見て行きましょう。
4年前に口座開設サポート業者のツアー2人で参加
このお二人ですが、約4年前の海外投資ブームの時に口座開設サポート業者のツアーに2人で参加し、それをきっかけに付き合い、そして結婚したそうです。なんともロマンチックな話ですが、皮肉なことに出会いのきっかけのHSBCは全く使われていませんでした。
当時の状況としては、会社の先輩に誘われてツアーに参加、良くわからないまま口座を作り、定期預金までしたものの、そのまま何もしていないという事です。
ATMカードはICチップ無し、セキュリティデバイスは最新タイプ
今お持ちのHSBCに関する情報を全て持ってきてくださいと事前にお願いしていましたので、ATMカードとセキュリティデバイスを確認。するとATMカードはICチップ無しの古いもの、セキュリティデバイスは最新でした。
今現在、ICチップが無いATMカードは使用できません。変更のタイミングで、HSBCからICチップ入りのATMカードが送られてきているか、変更に関する何らかの指示があったはずですが、どうやらそのレターを見ていないか、英語なので対応出来なかった模様。
セキュリティデバイスは最新のものを受け取れていましたが、受領から21日以内にアクティベートしないと無効化されてしまいます。その為、今のセキュリティデバイスも無用の長物に。。。
早速HSBCへ、まずは口座状況の確認
お二人とともにHSBCの本店へ。恐らく口座が凍結されているので解除したい旨を伝えます。平日の午前だったのでほとんど待ち時間なくブースへ通されました。※ちなみに、これは2015年7月の話ですが、通訳者のような形でお客様のブースに同行は可能でした。私がHSBCに顔見知りが多いからかもしれませんが。。。
ブース内で早速状況を説明し、パスポートと運転免許証を提示。奥様の方は苗字も変更になっているので旧パスポートと新パスポートの両方を提示します。
HSBC行員がカチャカチャとPCを叩き、口座状況を調べてくれます。
案の定、2つとも口座は凍結
結果は、やはり2人とも口座は凍結。インターネットバンキングも含めて全てがロックされている状態でした。ただ、 旦那様の方は1万HKDほど、奥様の方は10万HKDほど残高があったようです。開設当時に入金したのに覚えていなかったという事ですね。また、奥様は定期預金もやっていましたが、もうとっくに満期を迎えていました。
ATMカード&セキュリティデバイス再発行、苗字変更手続き
こうなると、全てをリセットするので意外と手続きに時間がかります。まずは正確な残高が知りたいとのお2人のご要望で、口座残高(アカウントバランス)を印刷してもらうことに。これで一安心です。資産が無くなっていなくてよかったですね。用件を伝えたら、後はHSBC行員が色々と手続きを進めてくれます。たまにサインを要求されるので支持に従ってサインをします。
・ATMカードの再発行、そしてPINの再発行
・セキュリティデバイスの再発行
・苗字変更手続き
は行員がやってくれますが、インターネットバンキングの登録は自分でやる必要があります。 ATMカードは即日受け取ることは出来ません、約3営業日以降にHSBCから登録された住所に発送されます。もちろん日本の住所でも大丈夫です。HSBC登録住所と、書類やカードの送付先住所を別々に設定することも可能です。
凍結解除の為にはお金を引き出す事が必要
さて、ひと通り手続きが終わった所で最終段階です。窓口に行って、お金を引き出す必要があります。HSBCのルールで、凍結された口座の凍結を解除するためには、必ず現金を一度引き出す必要があります。預け入れるだけではダメですのでご注意ください。引き出しは凍結予防にも繋がります。
同フロア内にある窓口で引き出しの旨を伝えます。ブースの行員が親切な人の場合、窓口での引き出しまでついてきてくれます。
更に窓口で入金
HSBCには最低預金残高が存在します。詳しくはこちらの記事を参照頂きたいのですが、残高が一定金額より少なくなると、毎月口座維持手数料が引かれていきます。これを防ぐため、旦那様の方は入金も同時に行いました。日本円で20万円ほどですが、外貨の入金にはそれなりに時間がかかります。札束を行員が手で数える、偽札チェック機械にかける、マネージャーによるチェック等で入金するだけでも最低20分くらいでしょうか。また、手数料も入金額に対して0.25%取られます。 苗字の変更はその日には終わらない
奥様の苗字変更の手続きもやってもらいましたが、この手続き完了には1週間かかるとの事。その為、新しいATMカードが届いて、数日してからインターネットバンキング再登録を試してくださいと言われました。2人の手続きが全て終わるまで2時間!
口座の状況にもよりますが、口座開設後、1度も使っていない場合、諸々の確認や手続きで1口座につき最大1時間くらいかかる事を見ておいてください。今回のご夫婦の場合、氏名変更、入金などもありましたが、合わせて2時間かかりました。決して難しい話ではないのですが、時間だけはかかる可能性がありますので、同じような状況の方が香港に来られる際にはスケジュールに余裕を持って来てくださいね。